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March 31, 2005
なまけものLIFE、行ってきました!
ズーラシアでのアートイベント、なまけものLIFEにはまことりが行ってきました!
第一報・続報にひきつづき、イベントの模様をお伝えいたします。
あいにくの雨で、なまけものLIFEは、ころころ広場のころこロッジに場所を移して開催されました。当日は、遠足の幼稚園児たちや、たくさんの子供たちが来てくれましたよ!
まず最初に渡されるのは白い紙でできたミニなまけ。ミニなまけを思い思いの色に塗りたくり、畳と布団のごろごろスペースの上にある、はっぱの中にぶらさげます。はっぱの中はカラフルななまけものだらけ!布団の前にあるズーラシアの動物たちをなまけもの目線で撮影した映像作品をみながらスローを体験!そのあとはなまけものの顔ハメで写真を撮って遊んだり、天井からぶらさがるなまけものクイズに答えたりなどなど、子供から大人まで楽しめる企画がもりだくさんでした。はまことりスタッフも取材を忘れてしばし夢中に…。


今回企画をされた長倉さん。もともと環境問題に関心をもたれていたことが、「なまけものライフ」の発端になっているそうです。
「みんなが自分で感じて、主体的に考えないと、環境問題は解決できない!」「今の時代、時間や手間をかけずに効率的に生きることを、みんな目指しています。スローに生きることには時間や手間がかかるけど、こっちの方が楽しい、ここちよいとみんなが気づいてくれれば…。」そんな思いが「なまけものLIFE」には込められていました。
「動物たちはスローなエコライフをすごしているんです。たとえばナマケモノは(なんと90種もの!)虫と共存していて、自然に環境にやさしく生きている。そんな彼らの生活をみていたらスローのよさを感じてもらえるんじゃないかな。」
ここで使われている畳は野毛山動物園からリサイクル、枝は子供たちがワークショップで剪定したものを使っているそうです。循環できるものを使って、エコライフを表現しています。

プロデューサーの井上さんと女子美ガールズは、準備のために「スローじゃない」日々を送られたそう!「2週間のあいだ、毎日みんな10時まで残って作業していました。みんながいたからできた企画です!」「みんなのそれぞれの才能がうまく生かされてるんじゃないかな」と井上さん。
ガールズパワーで作り上げられたなまけものLIFE。二日で終わってしまうのは本当にもったいない!
忙しい日常の中で、ふと「スローに生きてみるのも、いいんじゃない?」と思わせてくれる、素敵なイベントでした。
(小泉麻理子)
女子美ガールズのえつこさんが一枚一枚愛を込めて描いたTシャツを身に纏った「なまけものLIFE」制作者のみなさんにインタビューさせてもらって感じたことは、ひとりではなくて、みんなで作り上げていく“絆”の大切さ。その絆が、共生しながら暮らしているなまけものと共通しているのだなと思いました。忙しくて困りものの日は、「なまけものLIFE」を思い出して、スローで笑顔な時間を取り戻したいと思います!今後のご活躍を期待してます!(野毛山かもめ)
March 30, 2005
『Rain Maker』プロジェクト音(楽)を立てて始動!~Earth Voice Cafe Vol.1~
昨年このウェブサイトでもレポートをお送りした応援企画「横濱学生映画祭」。主催したNPO法人横浜アートプロジェクトの榎田竜路さんはインタビューの最中「この映画祭は壮大なプロジェクトの一部にすぎない。」とおっしゃっていました。その壮大なプロジェクト、その名も『Rain Maker』プロジェクトが3月27日、ついに鎌倉のCAFE&BAR『麻心』 から音を立てて始動!今回はその模様をプロジェクトの概要も併せてお送りします。
■異なる点と点が一つに重なるとき砂漠に雨がふる!
『Rain Maker』プロジェクトは、中渓宏一さんから始まりました。4年前会社員をやめ、アフリカやインドを放浪していた中渓さんは、アフリカで「1億本の木を植える男」ポールさんに出会います。※20世紀に戦争で亡くなった人1億人分の木を歩いて植えるというポールさんの考えに共感し、一緒に中国まで歩くことに。道すがら、現地の方数人から、「日本人なら※自然農法提唱者、福岡正信さんにポールさんを引き合わせるように」と言われます。そして昨年ポールさんの来日に伴い帰国した中渓さんは、福岡さんのお弟子さん本間裕子さんに出会うのです。さらにその後、今回のイベントの会場でもあるCAFE&BAR『麻心』のマスターしんじさんに榎田さんを紹介された中渓さんがこの話を榎田さんにしたところ、10キロ四方を緑で覆うと砂漠に雨が降るという学説がある、ポールさんの植樹と粘土団子を掛け合わせたプロジェクトをアートとして創り上げよう!と意気投合。さまざまな出逢いが交錯し、構想は次第に現実味を帯び、アフリカの砂漠緑化のプロセスを壮大なア-トと捉え、誰もが喜びと夢をもって関われる企画『Rain Maker』プロジェクトとして実現に向け始動することになりました。


■魂に響く真荷舟の演奏を交え
さて、今回のイベントは、『Rain Maker』の趣旨を伝え、種子を集め、協力者を募っていくための情報を発信していくための移動型カフェ、『Earth Voice Cafe』という移動型情報発信オープンカフェの第1弾にあたります。午後6時、場所は鎌倉由比ケ浜が目の前という最高のロケーション。榎田さんがボーカルを務める真荷舟の演奏が奏でられる中、『Rain Maker』プロジェクトジェクトの発端となった中渓宏一から『RainMaker』について、本間裕子から粘土団子についてが語られました。『麻心』には、入りきらないほどの人が溢れ、それぞれ思い、新しい出逢い、初めて聞く話などが交じり合い終始透明感のある暖かい空気が辺り一面に漂っていました。まだまだ語りつくせない『Rain Maker』プロジェクト。はまことりでは今後もリアルタイムで追っかけていきたいと思いますのでご期待ください。(金子)


※自然農法提唱者、福岡正信氏発案による『粘土団子』はアジア、アフリカ等の緑化にすでに大きな実績を残しています。
「粘土団子とは、種を粘土で覆い団子状にしたもので、粘土で覆うことにより鳥の餌になることを防ぎ、種自身の乾燥を防ぐ効果がある。蒔かれた種は、粘土の〈甲羅〉に守れて、朝露を吸い少数精鋭の根を地中深く伸ばし、根が生育に適した水分を供給出来るようになって茎部を成長させる。それは沙漠を緑で覆うのに実に効果的である。」
※「粘土団子を作ってみよう!」という企画があります。詳しくはコチラをクリック!
※ポール・コールマン氏と徒歩による沖縄本島一周、植樹の旅
アースウォーカーことポール・コールマン氏は20世紀に戦争で亡くなった全ての犠牲者1億人の為に1億本の木を植える旅を続けています。この16年間で地球を4万1千キロ歩き、36カ国を訪れ、その活動を通して約1千万本の木が植えられています。今回は6,7月の2月間に渡って行われるポール氏の植樹キャラバンに同行し地球緑化の大切さをアピールし、『Rain Maker』実現に必要な[種]を集めていきます。
March 21, 2005
ワークショップに行ってみよう ~ものづくりクラスルーム~
3月15日までBankART Studio NYK で開催された「Evolution Cafe」展。いくつかの関連イベントのうち出展アーティストと一緒に工作する「ものづくりクラスルーム」というワークショップに参加してきました。今回はその模様をお送りします。
■親子で一緒に工作するワークショップ
今回のワークショップは、朝10時からお昼12時30分まで「Evolution Cafe」展会場内で行われました。作品を出品された3人のアーティスト(鈴木太朗さん、Surroundings(サラウディングス)の岩井幸也さん、渡邉康太郎さん)を先生に迎え、親子で一組で1つのロボットを作るという内容。前からその作品が気になっていたアーティストが先生ということもあり、私も工作に参加してみました。
■アーティストじきじきに作品を解説
ワークショップを始める前に、まずは先生アーティストが会場内を巡って直接ご自身の作品の解説。こういうことってなかなかない機会なのでとても新鮮に感じました。
■動かない・・・
さて、ワークショップで制作するロボットは、センサーで明暗を察知し、線をなぞって動くロボット、その名も「センナゾラー」。ベタな駄洒落ににやけつつ、早速ロボット作りに取り掛かかったものの・・・?
「あ・・あれ?スイッチ入れたのにうごかない。」完成したはずのロボット。スイッチを入れてもピクリとも動きません。小学校の技術の時間以来、○○年ぶりにハンダを使って四苦八苦して完成したロボットが全く動かないとはショックです。早速鈴木先生が、どこが悪いのか調べててくださいました。親切な指導に思わず涙。原因は、横にいた子供の手際のよさににライバル心を燃やし、焦って、ビスを一つ付け忘れていたというなんとも恥ずかしいオチで、ビスを回すとロボットは正常に動きはじめました。
■線をなぞって動いてる!!
早速床に完成した「センナゾラー」を置いてみたところ、明暗を察知して線をなぞって動き出しました。これには、となりの親子にチャッカリ混じって一緒に感動しました。最後に子供たち一人一人が感想を言っていきました。みんな結構難しかったとコメントしつつも、作品の完成にそれぞれ満足した様子で帰っていきました。
感想
気軽に取材しつつと思いましたが、最後は、誰より必死で組み立てていました。参加した子供たちの将来ものづくりをするきっかけになるのはもちろんのこと、私たち大人が参加して、ものづくりアーティストがどういう作業を経て作品を作るか追体験することで作品鑑賞の視点を変えるきっかけになるのでは、と感じました。アーティストの先生方、どうもありがとうございました。(金子)

March 16, 2005
創造都市とITが生み出す未来の社会像とは?3月12日開催「第1回クリエイティブクラスターフォーラム」に行ってきました。
横浜は「創造都市=クリエイティブシティ」になりうるのか?はまことりが、横浜市の将来像を臨む「第1回クリエイティブクラスターフォーラム」に行ってきました。
このフォーラムは、3月15日までBankART Studio NYKで行なわれた横浜トリエンナーレ応援企画「Evolution Cafe」の関連事業として開催されました。
フォーラムの主催者NPOクリエイティブクラスター理事長岡田智博氏からフォーラム等の趣旨説明があり、その後、大阪府立大学大学院教授佐々木雅幸氏より「創造都市」からの視点についての提起へ移ります。
佐々木氏は冒頭、「クリエイティブクラスターという名前でフォーラムが行なわれるのは、日本ではじめてのことなのではないか」とおっしゃいました。「クリエイティブシティの実現は行政の音頭だけでは難しく、民間からも積極的に行なっていくのが大切」と述べ、バルセロナを例に、「多様性」を受け入れられる仕組みの重要性を説明。また、社会が大企業中心から創造性が問われる社会へ移り変わっている今、イギリスやアメリカでの「創造産業」とよばれる新しい産業が興っているというお話がありました。
現状、最先端の創造的表現は、最先端であるがゆえ市場に評価されるのが難しいです。特に日本の場合、広告代理店等、発注者と表現者の間にある中間業者が大きく利潤を吸いあげてしまっている、という指摘がなされました。
また、創造都市からクラスター(集積)へのアプローチとして、イタリア・ボローニャの例が取り上げられました。ボローニャにあるのは、「職人企業」と、「職人企業」を支えるネットワーク。ネットワークがクラスター(=産業集積)となり、ボローニャの経済を活発に動かしています。ほかにも、バーミンガムにある元カスタード工場での動きやフライブルク、サンフランシスコの動きが紹介されました。また、日本国内では「創造都市」を提唱する金沢市や京都市、大阪市での動きが紹介されました。
最後に佐々木氏は「創造産業」について、GDPベースで日本とイギリスを比較した場合、雇用と市場規模の面で大きな開きがあると述べ、日本の「創造産業」に対する可能性を話されました。また、創造性あふれる都市づくりには、個人・組織・都市、それぞれの創造性を重視するクリエイターと企業や市民を結びつけるコーディネーターとプロデューサーの存在とそれらのネットワークが大切、として提起をくくりました。
慶應義塾大学教授國領二郎氏は、「地域情報化・IT産業」からの視点よりお話がありました。國領氏は、「ぼくはアートな人間ではない」とおっしゃっていましたが、佐々木氏の提起より、「非常に触発されることが多い」と、お話をはじめられました。
「インターネット」というと、グローバルな印象をうけます。でも、なぜだか「地域」と相性がいいらしい。國領氏は、現在地方都市で活発になっている、ITを活用した地域活性化の様子を、具体例を挙げて案内。千葉や鹿児島、富山で行なわれている事例が挙げられました。どれもとてもユニークで、はまことりとしても触発される内容ばかり!具体例をとおして、國領氏はとくに情報の透明性を保証する重要性を強調。情報開示の基盤がまずあり、可視性・透明性があることで、全体の利潤を生み出す流れをお話されました。
佐々木氏、國領氏より提起が行なわれたあと、岡田氏も交えて、IT社会がつくり出す地域の活力について議論が交わされました。佐々木氏が、先の提起で多様性維持の重要性を挙げたことについて、國領氏は自身の小学校のときの経験より、多様性が許される空間が創造性を掻き立てるのでは?とコメント。また岡田氏は、東京・秋葉原が「オタク」文化により変わりつつあると、具体例を挙げました。
岡田氏の、「地方で活発になっている動きについて、共通性は?」という問いに対し、國領氏は「自分の身の回りをよくしよう、という素朴な気持ちが動かしているのでは」とコメント。小さなテクノロジーで大きなパワーが発揮されるインターネットの力を話されました。また佐々木氏は、創造性の高い社会が不安定な社会で、「先端性」の高いものに関して市場性が低い現状を指摘し、「今は金銭的な不安定だが、これから先は憧れの的になるのでは。」と述べました。岡田氏の「創造都市は人がいれば変わることができる」というコメントで、議論は締めくくられました。

その後の会場から質問を受ける場面では、はまことりからも「個人のなかから創造性が生み出される過程」について、質問を投げかけました。
國領氏は創造性の要素について、「内側から沸き起こってくるもの」、「いろいろな要素が結合して表れるもの」の2つの可能性を提起。ネットワークで生み出されるとしたら、「いろいろな要素が結合して表れるもの」のほうであると述べました。異質なものをくっつけるということは、佐々木氏のお話のなかで挙げられた「メタ創造性」につながります。「ネットワークによりひとりひとりの中にあるモヤモヤしたものが集まって、実現化するのでは」と答えられました。
最後に岡田氏は、「人は、評価されると活発に動く」ことを指摘し、インフォメーション・テクノロジーを活かすことで、評価されるようにする仕組みをつくりたい、と抱負を述べ、フォーラムは終了しました。(澤田)
■「第1回クリエイティブクラスターフォーラム」に関するお問い合わせ先:
クリエイティブクラスター
e-mail: artdemo@coolstates.com
web: http://coolstates.com/evolution/
電話:03-6219-0112(東京オフィス:東京都渋谷区富ヶ谷1-14-14-4F)
March 15, 2005
応援企画information! なまけものLIFE 続報!!
先月第一報をお知らせした応援企画「なまけものLIFE」。
「なまけものLIFE」って?動物園でのアートイベントってなんだろう?と思われた方に朗報です!現在、ズーラシアで制作中の現場に、はまことりがイベントの概要をこっそり伺ってきましたので、みなさんにお知らせします。
今回、企画されたよこはま動物園ズーラシアの長倉さんのマイブームは、ずばり「なまけもの」。驚くことにナマケモノ倶楽部の会員でもあるそうです。ズーラシアの春の催しとして、スローライフを提唱するような企画をしてみたい!ということで、お友達であり美術家の井上さんとともに、去年の12月から企画がスタートしたそうです。
メンバーは、長倉さん、井上さんのほか「女子美ガールズ」と命名された井上さんの呼びかけで集まった個性豊かな女子美術大学の学生が中心となって結成されました。開催日の3月23日に向けて現在鋭意制作中です。
制作中の部屋には、動物園で歩きながら学べる「なまけものクイズ」の出題問題や園内各所の木柵に吊るす予定のアートな言葉が、出番を待っている様子。アートな言葉は、全部で60パターン!どの言葉もなまけものをフューチャーした面白いラインナップです。
開催当日は、なまけものテントのジャングルのような!?天井にミニチュアナマケモノが吊られ、和を基調とした畳やふとんに寝転びながら、女子美ガールズたちが撮影したスローな映像をみたり、アートな言葉をながめたり、飴玉をなめてみたり、、、「スローは楽しい!」と実感できるような楽しい仕掛けをたくさん用意されているそうです。
なまけものテント以外にも園内では、女子美ガールズのパフォーマンスもあるとか!
最後に、制作中の長倉さん、井上さんからコメントをいただきました。
長倉さん「なまけものLIFEの制作で大忙し!一見本末転倒ですが、スローを心がけているのでその分の手間も増えています。なるべく環境に優しく、ゴミをださない
ように企画するのは大変だけど、気持ちいいし、楽しいんです。みなさん一緒になまけましょう!」
井上さん「面白いキャラクター揃いの特殊結成団で作り上げている「なまけものLIFE」。老若男女のみなさん、ぜひ、23日なまけにきてくださいね!」
動物園という非日常的な空間で繰り広げられる1日限りの体験型アート。みなさんもなまけもののように、まるくなって、忙しい毎日を忘れて、ゆったり気分になりましょう!!
●日程:3月23日(水)※雨天の場合24日(木)に延期 11:00~16:30(開園は9:30、入園は16:00まで)※3月23日(水)雨天のため、3月24日(木)も開催決定!
●交通:相鉄線「鶴ヶ峰」駅・「三ツ境」駅、JR横浜線「中山」駅下車。各駅から、ズーラシア行きのバスで約15分
●入園料:大人600円/高校生300円/小・中学生200円 ●問合せ:045-959-1000
●プロデュース:いのうえひさこ、ながくらかすみ、女子美ガールズ(大塩博子、日紫喜洋子、福島裕佳理、佐々木悦子、孝橋茉莉江、安江陽子)
http://www.city.yokohama.jp/me/ygf/zoorasia/
March 07, 2005
花咲町アートプロジェクト Part1 Artist in house -アーティスト イン ハウス-開催報告!
昨年、2004年12月から追いかけて来た「花咲町アートプロジェクト」の作品がいよいよ完成し、2月20日~2月27日一般公開されました。今回は、はまことりの作品体験報告と、作家さん、主催者の方の全体を通しての感想をお伝えします。
■見る・見られる
最初に、長嶌史朗さんプロデュース、建築妄想狂(牧田広海さん、見留徹さん)による『ヒトの気配』をテーマにした「ウツルニオイ」と「気配からのまなざし」を紹介します。
まず、「ウツルニオイ」は、かつてこの家で営まれていた生活をこっそり「見る」感覚を体験する作品で、そこにはユーモアや遊び感覚も含まれ、大変楽しむことができました。こちらは1階奥の一番広い部屋に作成され、すべての窓が緑色のフィルムで覆われていたため、空間全体は緑でかなり怪しげ!しかも、その部屋に入った途端、正面に等身大ののっぺらぼうの白いマネキンがデンッと座っていたため、なんだか不気味でちょっと引いてしまいました。ちなみに、部屋の奥にはもう一体マネキンがあり、そちらはちゃぶ台にもたれかかっていました。
オロオロしていると作家さんがやって来て、作品体験の説明をして下さいました。言われた通り、片目をつぶって、天井からつるされた透明なプレートに描いているマネキンの輪郭に、実際のマネキンの姿を合わせて見ることに。すると、そのプレート自体がリアルな生活のひとこまとなり、その途端、この空間とマネキンに親近感が湧いてきました。例えば、天井からつるされたバレーボールや壊れた壁もプレートのひとこまに組み込まれ、実物のマネキンに輪郭を合わせて見てみると「子供が投げたバレーボールで壁が壊れ、見ているお父さん(マネキン)がぎょっとしている」光景になるといった感じで、内容自体もちょっと笑ってしまうものが多かったためだと思います。
うって変わって、2階奥の小さな部屋の「気配からのまなざし」は非常に恐かったです。壁を壊して作られた小さな穴からなんとか入ると、そこは全体が真っ暗な蚊帳の中。どこからか常にヒソヒソ声が聞こえたり、壁に誰かが通り抜ける影が時たま映るなど、これこそ不気味な空間でした。途中、パッと電気がついて周囲を見回すと、背後のテレビの存在に気が付かされます。すると、その画面には自分の後ろ姿が…どこか分からない所から誰かに「見られる」恐怖を体感する恐ろしい作品でした。
しかし、この作品の体験者のうち、かつて蚊帳を使って生活をしていた経験のある方からは「懐かしい」という声が上がったとのこと。体験する作品だからこそ、鑑賞する人によって違った印象を受ける可能性がより高いのかな、と思いました。
建築妄想狂のおふたりに、今回のアートプロジェクト全体を通しての感想をお伺いしたところ、まず、見留さんは「現場で実際作業をすると問題が出てきて大変だったけど、そこが面白かった」とのこと。見留さんは日頃から「マイナスをプラスに変える」ことを意識して作業しているそうで、その影響が大きかったようです。そして、牧田さんは「一人ではできないようなことを皆で話し合いながらやっていくことが新鮮だった」とのこと。また、話の途中で「アート自体高尚なイメージになりがちだが、一般市民がもっと身近なものと思ってつき合っていけば心が豊かになるのに」ともおっしゃいました。今回のように、ごく普通の住宅街でアート作品を展示すると、一般市民であるご近所の方もフラッとやって来て作品を鑑賞できると同時に、作家さんはその人たちから率直なコメントを頂けるので、お互いにとって良い刺激を受ける機会になったと思いました。
ちなみに、今春、お二人はめでたく学生を卒業するそうです。また、横浜トリエンナーレ2005本番でも、ぜひ何かの形で関わりたいと思っているとか!?
■家屋の内なる生命

次に、丸岡満美さんプロデュース、Design Group ハレのちクモリ(さとうかずゆきさん、山本ゆきこさん、Takeさん)による『建築空間の意思の気配』をテーマにした「rainbow chaser(空想家)~line-drawing ~」を紹介をします。
こちらの作品は2階上がってすぐの部屋に作られ、入った瞬間、強い生命力のようなものを感じました。
勿論、この部屋も壊れた壁や燃えた形跡のある畳など廃墟の要素がいっぱいありましたが、空間全体に鮮やかな七色のヒモが、元気良く、様々な角度でピンっと張りめぐらされていたため、他の部屋とは相反した印象を受けたのだと思います。しっかり張られたヒモの弾力を指で確かめながら作品を鑑賞していると、ふいに、この建築物自体が、かなり痛んでいる上、直に取り壊される事実を知りながらも、それでも生き続けたい!と意思表示しているのでは!?という気持ちに襲われ、なんだか切なくなりました。
Design Group ハレのちクモリの皆さんに、建築妄想狂と同様の質問をしたところ、まず、まず、さとうさんは「もっと時間が欲しかった」とのことでした。他の2人とは住まいも離れていて、少ない制作期間内でのグループのディスカッションに苦労されたそうです。そして、イメージをプレゼンして伝えることにも苦労されたようですが、「お陰で、自分にとって大変勉強になった」そうです。また、Takeさんは1月後半から仕事が急に忙しくなり体力的にかなりハードで「大変だった」とのこと。山本さんからは「楽しかった」とのことです。ただ、作品自体が持って運べないものなので、「会期が終わってしまうと離れてしまうから寂しい」と、かなり名残惜しんでいました。
皆さんのお話から、普段お仕事をされているためか、制作はかなり大変だったことが伺えました。しかし、普段、規制がつきまとう仕事をしているからこそ、自由な発想をそのまま実現できる、こういった展覧会を年に一度は開催したいとのことでした。
■コミュニケーションの場となったアート作品
最後にこの花咲町アートプロジェクトのプロデューサーのひとり、丸岡満美さんに、皆さんと同様の質問をしたところ、「このプロジェクトをやって良かった」とのことでした。
特に、作品の公開に伴い、外部の方が訪れ、作品を介してお茶を飲みながら、その人たちとコミュニケーションをとれたことが良かったそうです。なんでも、うまくいったポイントは「玄関で靴を脱ぐこと」だったとか。最初、記帳すらしてくれなかった人でも、靴を脱いでリラックスして作品を鑑賞した後、お茶をすると、どんどん話しをしてくれたそうで、それは丸山さん自身が驚くほどだったとのこと。近所の方や、営業中のサラリーマンなど、さまざまな方とコミュニケーションをとれたことは、本当に楽しかったそうです。
これから何ヶ月かしたら、この廃墟は取り壊されます。しかし、その後、また新しい建築物が造られるとのこと。丸岡さんは「その時、また何かやるかも」とおっしゃっていました。
もし何かあれば、はまことりもふたたび取材に訪れる予定です。また、生命を感じたこの建築物が取り壊される様を画像で紹介していく計画もありますので、皆さん、お楽しみに!(ドイ)
March 06, 2005
ワークショップに行ってみよう ~深沢アート研究所のワークショップ 野菜スタンプで大きく描こう
3月15日まで開催中の「食と現代美術」展。Gomaのワークショップレポートに続いて、今回は、深沢アート研究所「こども造形ワークショップ」の様子をお届けします。
深沢アート研究所は、山添joseph勇(こども造形教室代表)さんとカブ(緑化研究室代表)さんによる研究所。「食と現代美術」展会期中に8つのワークショップを企画されています。その中から、3月5日に開催されたワークショップ3「野菜スタンプで大きく描こう」に、注目しました!
■只今、野菜待機中!?
山添さん、カブさんのレクチャーの下、ワークショップに参加した幼稚園生から小学生のみんなは、スタンプとして使う野菜を土の中から選びます。だいこん、れんこん、にんじん、おくら、きのこ、などなど。どんな切り口になるのか想像してみるのも面白いですね。
好きな野菜を選んだら、先生に切ってもらって、今度は、あお、あか、きいろ、などなど、いろとりどりの絵の具の中から、好きな色を選びます。そして、最後に壁に貼った大きな画用紙に、自分だけの野菜スタンプを押して大きな絵を作り上げます。
■楽しむ心に、想像(創造)力あり!?
押したスタンプに模様を足したり、同じ野菜を連続して押したり、自ら発見して、どんどん創造していくこどもたちをみていると、驚かされることばかり!野菜を輪切りではなく斜め切りにリクエストしたり、切り口に絵の具をつけないで、野菜全体に絵の具をつけて回しスタンプ!?にしたり・・・こどもたちの頭の中は、「アート」でいっぱいなのでは?と思ってしまうほどです。

今回のワークショップに参加したこどもたちは、自分が作った「野菜スタンプの絵」を切り取ってお持ち帰り!作品が完成に近づくほど、こどもたちのアート熱が高まり、猛スピードで仕上げている様子が、みている大人たちの「時間感覚」を忘れて、創造することの楽しさを思い出させてくれたように思います。

さて、残すところあと数日となった「食と現代美術」展。深沢アート研究所の楽しいワークショップも残り2つとなっていますので、ご興味のある方はぜひご参加ください!
●3月13日(日)13:00-14:40 おかしの形で自由工作
●3月13日(日)16:00-17:40 チョコレートのドリッピング制作
※小学生以下対象
※要予約 ¥1,500
申込・お問合せ
BankART1929オフィス
TEL:045-663-2812 FAX:045-663-2813
E-mail:info@bankart1929.com
http://www.bankart1929.com
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