創造都市とITが生み出す未来の社会像とは?3月12日開催「第1回クリエイティブクラスターフォーラム」に行ってきました。
横浜は「創造都市=クリエイティブシティ」になりうるのか?はまことりが、横浜市の将来像を臨む「第1回クリエイティブクラスターフォーラム」に行ってきました。
このフォーラムは、3月15日までBankART Studio NYKで行なわれた横浜トリエンナーレ応援企画「Evolution Cafe」の関連事業として開催されました。
フォーラムの主催者NPOクリエイティブクラスター理事長岡田智博氏からフォーラム等の趣旨説明があり、その後、大阪府立大学大学院教授佐々木雅幸氏より「創造都市」からの視点についての提起へ移ります。
佐々木氏は冒頭、「クリエイティブクラスターという名前でフォーラムが行なわれるのは、日本ではじめてのことなのではないか」とおっしゃいました。「クリエイティブシティの実現は行政の音頭だけでは難しく、民間からも積極的に行なっていくのが大切」と述べ、バルセロナを例に、「多様性」を受け入れられる仕組みの重要性を説明。また、社会が大企業中心から創造性が問われる社会へ移り変わっている今、イギリスやアメリカでの「創造産業」とよばれる新しい産業が興っているというお話がありました。
現状、最先端の創造的表現は、最先端であるがゆえ市場に評価されるのが難しいです。特に日本の場合、広告代理店等、発注者と表現者の間にある中間業者が大きく利潤を吸いあげてしまっている、という指摘がなされました。
また、創造都市からクラスター(集積)へのアプローチとして、イタリア・ボローニャの例が取り上げられました。ボローニャにあるのは、「職人企業」と、「職人企業」を支えるネットワーク。ネットワークがクラスター(=産業集積)となり、ボローニャの経済を活発に動かしています。ほかにも、バーミンガムにある元カスタード工場での動きやフライブルク、サンフランシスコの動きが紹介されました。また、日本国内では「創造都市」を提唱する金沢市や京都市、大阪市での動きが紹介されました。
最後に佐々木氏は「創造産業」について、GDPベースで日本とイギリスを比較した場合、雇用と市場規模の面で大きな開きがあると述べ、日本の「創造産業」に対する可能性を話されました。また、創造性あふれる都市づくりには、個人・組織・都市、それぞれの創造性を重視するクリエイターと企業や市民を結びつけるコーディネーターとプロデューサーの存在とそれらのネットワークが大切、として提起をくくりました。
慶應義塾大学教授國領二郎氏は、「地域情報化・IT産業」からの視点よりお話がありました。國領氏は、「ぼくはアートな人間ではない」とおっしゃっていましたが、佐々木氏の提起より、「非常に触発されることが多い」と、お話をはじめられました。![]()
「インターネット」というと、グローバルな印象をうけます。でも、なぜだか「地域」と相性がいいらしい。國領氏は、現在地方都市で活発になっている、ITを活用した地域活性化の様子を、具体例を挙げて案内。千葉や鹿児島、富山で行なわれている事例が挙げられました。どれもとてもユニークで、はまことりとしても触発される内容ばかり!具体例をとおして、國領氏はとくに情報の透明性を保証する重要性を強調。情報開示の基盤がまずあり、可視性・透明性があることで、全体の利潤を生み出す流れをお話されました。
佐々木氏、國領氏より提起が行なわれたあと、岡田氏も交えて、IT社会がつくり出す地域の活力について議論が交わされました。佐々木氏が、先の提起で多様性維持の重要性を挙げたことについて、國領氏は自身の小学校のときの経験より、多様性が許される空間が創造性を掻き立てるのでは?とコメント。また岡田氏は、東京・秋葉原が「オタク」文化により変わりつつあると、具体例を挙げました。
岡田氏の、「地方で活発になっている動きについて、共通性は?」という問いに対し、國領氏は「自分の身の回りをよくしよう、という素朴な気持ちが動かしているのでは」とコメント。小さなテクノロジーで大きなパワーが発揮されるインターネットの力を話されました。また佐々木氏は、創造性の高い社会が不安定な社会で、「先端性」の高いものに関して市場性が低い現状を指摘し、「今は金銭的な不安定だが、これから先は憧れの的になるのでは。」と述べました。岡田氏の「創造都市は人がいれば変わることができる」というコメントで、議論は締めくくられました。
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その後の会場から質問を受ける場面では、はまことりからも「個人のなかから創造性が生み出される過程」について、質問を投げかけました。
國領氏は創造性の要素について、「内側から沸き起こってくるもの」、「いろいろな要素が結合して表れるもの」の2つの可能性を提起。ネットワークで生み出されるとしたら、「いろいろな要素が結合して表れるもの」のほうであると述べました。異質なものをくっつけるということは、佐々木氏のお話のなかで挙げられた「メタ創造性」につながります。「ネットワークによりひとりひとりの中にあるモヤモヤしたものが集まって、実現化するのでは」と答えられました。
最後に岡田氏は、「人は、評価されると活発に動く」ことを指摘し、インフォメーション・テクノロジーを活かすことで、評価されるようにする仕組みをつくりたい、と抱負を述べ、フォーラムは終了しました。(澤田)
■「第1回クリエイティブクラスターフォーラム」に関するお問い合わせ先:
クリエイティブクラスター
e-mail: artdemo@coolstates.com
web: http://coolstates.com/evolution/
電話:03-6219-0112(東京オフィス:東京都渋谷区富ヶ谷1-14-14-4F)
投稿者 澤田mito : March 16, 2005 11:38 PM
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