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March 07, 2005

花咲町アートプロジェクト Part1 Artist in house -アーティスト イン ハウス-開催報告!

昨年、2004年12月から追いかけて来た「花咲町アートプロジェクト」の作品がいよいよ完成し、2月20日~2月27日一般公開されました。今回は、はまことりの作品体験報告と、作家さん、主催者の方の全体を通しての感想をお伝えします。

■見る・見られる
miru.JPG最初に、長嶌史朗さんプロデュース、建築妄想狂(牧田広海さん、見留徹さん)による『ヒトの気配』をテーマにした「ウツルニオイ」と「気配からのまなざし」を紹介します。
まず、「ウツルニオイ」は、かつてこの家で営まれていた生活をこっそり「見る」感覚を体験する作品で、そこにはユーモアや遊び感覚も含まれ、大変楽しむことができました。こちらは1階奥の一番広い部屋に作成され、すべての窓が緑色のフィルムで覆われていたため、空間全体は緑でかなり怪しげ!しかも、その部屋に入った途端、正面に等身大ののっぺらぼうの白いマネキンがデンッと座っていたため、なんだか不気味でちょっと引いてしまいました。ちなみに、部屋の奥にはもう一体マネキンがあり、そちらはちゃぶ台にもたれかかっていました。

オロオロしていると作家さんがやって来て、作品体験の説明をして下さいました。言われた通り、片目をつぶって、天井からつるされた透明なプレートに描いているマネキンの輪郭に、実際のマネキンの姿を合わせて見ることに。すると、そのプレート自体がリアルな生活のひとこまとなり、その途端、この空間とマネキンに親近感が湧いてきました。例えば、天井からつるされたバレーボールや壊れた壁もプレートのひとこまに組み込まれ、実物のマネキンに輪郭を合わせて見てみると「子供が投げたバレーボールで壁が壊れ、見ているお父さん(マネキン)がぎょっとしている」光景になるといった感じで、内容自体もちょっと笑ってしまうものが多かったためだと思います。

mirareru.JPGうって変わって、2階奥の小さな部屋の「気配からのまなざし」は非常に恐かったです。壁を壊して作られた小さな穴からなんとか入ると、そこは全体が真っ暗な蚊帳の中。どこからか常にヒソヒソ声が聞こえたり、壁に誰かが通り抜ける影が時たま映るなど、これこそ不気味な空間でした。途中、パッと電気がついて周囲を見回すと、背後のテレビの存在に気が付かされます。すると、その画面には自分の後ろ姿が…どこか分からない所から誰かに「見られる」恐怖を体感する恐ろしい作品でした。
しかし、この作品の体験者のうち、かつて蚊帳を使って生活をしていた経験のある方からは「懐かしい」という声が上がったとのこと。体験する作品だからこそ、鑑賞する人によって違った印象を受ける可能性がより高いのかな、と思いました。


noge_01.jpg建築妄想狂のおふたりに、今回のアートプロジェクト全体を通しての感想をお伺いしたところ、まず、見留さんは「現場で実際作業をすると問題が出てきて大変だったけど、そこが面白かった」とのこと。見留さんは日頃から「マイナスをプラスに変える」ことを意識して作業しているそうで、その影響が大きかったようです。そして、牧田さんは「一人ではできないようなことを皆で話し合いながらやっていくことが新鮮だった」とのこと。また、話の途中で「アート自体高尚なイメージになりがちだが、一般市民がもっと身近なものと思ってつき合っていけば心が豊かになるのに」ともおっしゃいました。今回のように、ごく普通の住宅街でアート作品を展示すると、一般市民であるご近所の方もフラッとやって来て作品を鑑賞できると同時に、作家さんはその人たちから率直なコメントを頂けるので、お互いにとって良い刺激を受ける機会になったと思いました。
ちなみに、今春、お二人はめでたく学生を卒業するそうです。また、横浜トリエンナーレ2005本番でも、ぜひ何かの形で関わりたいと思っているとか!?


■家屋の内なる生命
noge_04.jpg
次に、丸岡満美さんプロデュース、Design Group ハレのちクモリ(さとうかずゆきさん、山本ゆきこさん、Takeさん)による『建築空間の意思の気配』をテーマにした「rainbow chaser(空想家)~line-drawing ~」を紹介をします。
こちらの作品は2階上がってすぐの部屋に作られ、入った瞬間、強い生命力のようなものを感じました。
勿論、この部屋も壊れた壁や燃えた形跡のある畳など廃墟の要素がいっぱいありましたが、空間全体に鮮やかな七色のヒモが、元気良く、様々な角度でピンっと張りめぐらされていたため、他の部屋とは相反した印象を受けたのだと思います。しっかり張られたヒモの弾力を指で確かめながら作品を鑑賞していると、ふいに、この建築物自体が、かなり痛んでいる上、直に取り壊される事実を知りながらも、それでも生き続けたい!と意思表示しているのでは!?という気持ちに襲われ、なんだか切なくなりました。

noge_02.jpgDesign Group ハレのちクモリの皆さんに、建築妄想狂と同様の質問をしたところ、まず、まず、さとうさんは「もっと時間が欲しかった」とのことでした。他の2人とは住まいも離れていて、少ない制作期間内でのグループのディスカッションに苦労されたそうです。そして、イメージをプレゼンして伝えることにも苦労されたようですが、「お陰で、自分にとって大変勉強になった」そうです。また、Takeさんは1月後半から仕事が急に忙しくなり体力的にかなりハードで「大変だった」とのこと。山本さんからは「楽しかった」とのことです。ただ、作品自体が持って運べないものなので、「会期が終わってしまうと離れてしまうから寂しい」と、かなり名残惜しんでいました。
皆さんのお話から、普段お仕事をされているためか、制作はかなり大変だったことが伺えました。しかし、普段、規制がつきまとう仕事をしているからこそ、自由な発想をそのまま実現できる、こういった展覧会を年に一度は開催したいとのことでした。


■コミュニケーションの場となったアート作品
enter.JPG最後にこの花咲町アートプロジェクトのプロデューサーのひとり、丸岡満美さんに、皆さんと同様の質問をしたところ、「このプロジェクトをやって良かった」とのことでした。
特に、作品の公開に伴い、外部の方が訪れ、作品を介してお茶を飲みながら、その人たちとコミュニケーションをとれたことが良かったそうです。なんでも、うまくいったポイントは「玄関で靴を脱ぐこと」だったとか。最初、記帳すらしてくれなかった人でも、靴を脱いでリラックスして作品を鑑賞した後、お茶をすると、どんどん話しをしてくれたそうで、それは丸山さん自身が驚くほどだったとのこと。近所の方や、営業中のサラリーマンなど、さまざまな方とコミュニケーションをとれたことは、本当に楽しかったそうです。

これから何ヶ月かしたら、この廃墟は取り壊されます。しかし、その後、また新しい建築物が造られるとのこと。丸岡さんは「その時、また何かやるかも」とおっしゃっていました。
もし何かあれば、はまことりもふたたび取材に訪れる予定です。また、生命を感じたこの建築物が取り壊される様を画像で紹介していく計画もありますので、皆さん、お楽しみに!(ドイ)


投稿者 doikeico : March 7, 2005 07:49 AM

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