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April 10, 2005

IMAselectionVol.1 <表現の水際2005>

東京藝術大学美術学部先端芸術表現科の卒業生、在学生の中から選出された16名の作品展が旧関東財務局で行われ、去る4月9日(土)、はまことりも取材に行きました。作家さんの説明では意外な一面を知ることができました。

そもそも、「先端芸術表現科」とはなにでしょうか。 この場合の先端は「最先端」という意味ではなく、美術という分野において「最も端の部分」という意味を指します。いわゆる美術と呼ばれる分野の領域と、そうでない分野の領域の境界線、つまり、そこは美術の「最も端の部分」。その部分が変化することにより、これまでの手法や思考を脱却した新しい美術表現が生まれると考えられるのですが、逆に、そういった美術表現が登場することで、その境界線が変化するとも言えるでしょう。社会や他分野と関わりを持ったり、共有したりしながら表現することは、いわゆる美術の枠を超えた生活の中でも、新たな可能性や発展が見い出されることが暗示されます。


今回紹介された作品は、先端芸術表現科において代表的な作品でなく、こちらの建物で展示するのにぴったりくるものが選ばれています。先端芸術の表現の可能性は無限大とも言えるので、今回はあくまで一部を見せてもらったのにすぎませんが、映像、写真、インスタレーション*注1)、体験型など多種多様な展示作品の一部をご紹介します。



tanaka.JPG「人の個人的な話に興味がある」という田中詩子さんの作品は、以前、友人から聞いた「緑のカーテン」の話をもとに作ったものです。幼いころ見たカーテンについて語る友人は、一年前と最近とでは内容に食い違いがありました。その「記憶違い」に興味を持った田中さんは両方のイメージをもとに、白い紙をカーテンにみたて、そこに緑色の刺繍糸で柄として緑の柄を綴り、糸の色をにじませることで曖昧な記憶というものを表現していました。
(田中 詩子「緑のカーテン」2005、画像左は作品の紹介をする田中さん)


hirai.JPG平井裕二さんの作品のテーマは、「記録行為」で、「録音」と「書く」行為を重ね合わせたペン状の作品はペンで線をえがきながら声や音を出し、後ほど同じ線を同様になぞると、その時の音が出てくるというものです。例えば、丸い線を描きながら「四角」と声に出してみます。すると、次に丸をなぞった時、ペンは「四角」と音で主張します。実際、体験してみると「そもそも丸って何?」と思ってしまう不思議な感覚に陥ってしまうのです。
(平井 裕二「mag-fold 3.0 "paper machine"」2005

緑の得体の知れない生物が部屋を浸食しているのは藤吉匡さんの作品です。緑の生物はティグマ熊という名前。ティグマ熊たちは、この展覧会が始まる前から展示会場にやってきて、徐々に作業をしていたそうです。ティグマ熊のストーリは、この他にもあるとのこと。本展においては、展示会場にもともと刻まれた過去の傷跡、風合いがティグマ熊の活動の形跡としてしっくりはまっていたので、その存在をより現実的なものに感じることができました。ティグマ熊の今後の行動が気になります。
fujiyoshi1.JPG
fujiyoshi2.JPG
(藤吉 匡「ネグマ建築ティグマ熊」2005)


★その他の出展作家・作品についてはこちらをご覧ください↓
http://www.ima.fa.geidai.ac.jp/ima-selection/sakka.html

*注1)インスタレーション:作品を単体としてではなく、展示する環境と有機的に関連づけることによって構想し、その総体を一つの芸術的空間として呈示すること。また、その空間。


IMAselectionVol.1<表現の水際2005>
会期: 2005年3月26日(土)ー4月10日(日)
開催時間:11:30ー19:30(会期中無休)
場所:旧大蔵省関東財務局横浜事務所
URL: http://www.ima.fa.geidai.ac.jp/ima-selection/
企画監修:渡辺好明(東京藝術大学美術学科先端芸術表現科助教授)
主催:<表現の水際>展実行委員会
共催:横浜市
後援:財団法人横浜市芸術文化振興財団
協力:BankART1929


投稿者 doikeico : April 10, 2005 06:40 PM

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