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October 18, 2005

場にかかわると「空気」になる?

会場の全作品をつなぐ横トリの空気、
堀尾貞治+現場芸術集団「空気」




会期がはじまるだいぶ前、夏頃の「トリエンナーレ学校」で堀尾貞治さんが紹介された。40年前からずっと前衛芸術を生き続けたという堀尾さんは、彼のテーマフレーズ「あたりまえのこと」「空気」そのままの風貌で、信用できる人だなと思った。川俣さんの敬意のこもった紹介「堀尾さんは横トリ会場で自由になんでもやってくださいよ」という言葉が印象的だった。





堀尾さんの横トリでのメインの仕事は、幅30mの広大な倉庫の壁塗りだ。しかも毎日違った色に塗り替え続ける。当然、会期中83日間ずっと彼は横浜トリエンナーレにいる。他にもいろいろなプログラムをこなす。自動販売機に見立てた箱のなかで、メニューから選ばれたリクエストに応じた即興の絵画を描いて販売する「百均絵画」。1,000点ものドローイングで埋め尽くされた仮設の部屋。ナカニワでは地面に白線のマスを描いて即興のゲームを観客といっしょに興じたり、埠頭のセンタンでは「海の続き」と称して仮設のプールに海水を呼び込んだりしている。







一見遊んでいるように見える行為はしかし哲学的である。そう、「哲学的」ということ自体「古い」のだ。横トリの公式カタログにはこう記されている。「ひたすら自身の身体を使って制作を続ける堀尾の姿勢は、作家自身が手をくだすことなく、モノとしての実体をもたなくとも作品が成立する現代美術の状況下で、創造するという行為の本質をあらためてわれわれに認識させる。」






堀尾さんは毎日会場にいて、横浜トリエンナーレという場にかかわって作品を作り続ける。横トリのポスターを模写して大きく拡大してみせたり、ナカニワの中空にビュランの旗が一本張ってあって、何かな?と近付いてみたら、これも模造品で鈴までつけてある。すぐに堀尾さんの作品だとわかったのは、破れてぼろぼろの旗(しかも鈴付き)なんだけど、美しいのだ。ポスターの模写も単にコンセプチュアルなだけでなく、技の見事さがある。「百均絵画」もすぐれて美的だ。100円で買って帰った人は大儲けだ。






哲学や姿勢やコンセプトだけじゃなく、技が必要なんだ(あるいは技って何だろう?)ということを声高に言わず「あたりまえのこと」として会場中に漂わせている。若手の作品を見る時も自然に堀尾さんのそれにさらされて見ることになる。作品と作品の間にもそれは漂っている。彼の40年のキャリアは伊達じゃなく横トリ全体を包んでいる。まるで空気のように。


投稿者 takahashi : October 18, 2005 02:58 AM

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横浜トリエンナーレ2005 9/30の堀尾貞治

神戸からやってきた、1939年生まれの堀尾貞治は60年代に「具体」と呼ばれるグル

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