あざみ野で写真展にハマる~目から鱗!トークショーで変わった写真展のみかた~
こんにちは。はまことりのかねこです。文化の日の今日、私は青葉区に新しくオープンした横浜市民ギャラリーあざみ野に、横浜市民ギャラリーあざみ野 開館記念展vol.1「たからもの-写真と言の葉」、アーティストトークに行って目から鱗体験をしてきました!今回はその模様をお送りします。
普段私はあまり好んで写真展を観にいくわけじゃない。なんとなく「写真って目の前にあるものを、ただ機械で撮ってるだけじゃん」という風に感じていたのだ。だけど、今回はるばる千葉の自宅からあざみ野までノコノコ出かけた理由は、今回のヴェネチア・ビエンナーレに、日本館代表として選ばれた石内都さんの写真ってどんな写真なのかしら?という好奇心と、いつもお世話になっている横浜市文化芸術振興財団の専務理事の加藤種男さんがコーディネーターを務められるトークショーって一体どんなトークショーになるのかしら?という半ば野次馬根性。
まず最初に横浜市民ギャラリーあざみ野に着いて、30分ほど時間があったので、ギャラリーを覗いてみた。
今回の写真展は、石内都さん、島尾伸三さん、長島有里枝さん、尾仲浩二さん、蜷川実花さんという5人の日本を代表する写真家が「大切なもの、ひと」=「たからもの」という共通のテーマで作品を展示するグループ展。
さーっと会場内を巡って、当たり前だけど同じテーマでも、5人5様、随分作風が違うなぁと驚いた。今日トークショーを聞いてまた戻ってこようと一旦トークショー会場に戻る。
2時になり、いよいよトークショーが始まった。
登場された石内都さんは、とても美しい方、島尾伸三さんはシンデレラに出てくる森の小人のようなユーモラスな表情。長島有里枝さんは、黒い目が印象的で、声がこっくり素敵。尾仲浩二さんは気の良いお兄さんといった風貌。蜷川実花さんはご都合が悪くてご欠席。
まず、コーディネーターを務められる横浜市芸術文化振興財団専務理事の加藤種男さんが、「アーティストとしての写真家で食えるのか」と単刀直入に質問されると、ほとんどの作家さんが食えないと返事。会場内には、写真家を目指す学生さんもいて、苦笑が漏れる。
慌てて、加藤さんが「それでは楽しいことは?」と質問すると、4人4様全く違う答えが返ってきた。
島尾さんは、友人でカメラオタクの人がいて、カメラ自慢を聞くのが楽しい、それから、4,000円くらい持って、2、3日フラフラ徘徊するのが楽しいと答えれば、尾仲さんは、こんなものとるのオレだけだよなーと思いながら写真を撮りつつも、あの人に見せたら喜ぶだろうなーと想像しながら撮るときが楽しい、といった具合。
それから石内さんは、楽しさとは違うかもしれないけれど、巨大なプリント作業を暗室で肉体労働みたいにして焼いているときが一種トリップしていて楽しいと答えるなど。本当に作家さんによって全然違う。
トークショーを聞いていて、特に面白いなぁと思ったところは、それぞれの作家さんの「たからもの」の捉えかた。石内都さんは、生前の母親と、確執があり、コミュニケーションをとることが出来なかった。これからコミュニケーションをとろうとした矢先、母な亡くなってしまった。残された下着、使いかけの口紅、靴など遺品ともいえない品々を写真に収めることによってしか前に進めないと感じた。発表するつもりはなく撮り始めたものが、今結果としてたからものになってしまった、とおっしゃる。その横で、島尾さんが、フラフラと生きていて、潮田さんという素敵な人と暮らし始めて、可愛い子供が生まれて30年ずっと毎日うれしいです。妻と子供の写真をたからものとして今回出展した。と言えば、長島さんは、私は昔から普通すぎるくらい普通に生きてきて、なんの特別なところもなかった。その凡庸な私が撮る写真の中に普遍性がやどることもあるかもしれない、とおっしゃる。ちなみに今回長島さんが出展されている「たからもの」は長島さんの夫を撮った作品。尾仲さんは、今まで30年近く、誰に注文されるわけでなく、写真を撮ってきた。その写真が僕のたからものです、と、ほんとうにまちまちだ。
「母との関係性」というのは、私にとってもとても重要なテーマなので、石内さんのお話を聞いていると胸がぎゅっと切なくなる。その真横で対照的な島尾さんのコメントを聞くと、今度はその独特なおかしい雰囲気で、思わずぷっと笑ってしまう。また、普段、エネルギッシュにしゃべっている印象の加藤種男さんも、作家さんたちからお話を引き出そうとして、苦心されている様子がおかしかったりして、なんだかとっても不思議なトークショーだった。
他にもいろんな面白いやり取りがあって、のんびりとしたトークショーが終わったあと、もう一度ギャラリーを巡ってみた。
目から鱗!!作家さんのお話を聞いて、その後で写真を観ると、最初に観たときよりも全然面白さが違う。さっき、こういうことをうったえたいとおっしゃっていたのは、なるほど!こういうことだったのか、とか、さっきは全然感じなかったいろんな発見があって、写真展をこれほど面白く感じたのは初めてだった。
なにを表現しているかという話を聴いて先入観を持って観る観方ってあんまり正統な観方じゃないのかもしれないけど、いいや。こんなに楽しく写真展を観れたのだから。これから写真展が好きになりそう。なんとなく得した気分でウキウキと会場を後にした。
この写真展は、11月20日(日)まで開催されています。同時に、市民の方からの公募作品による市民協働プロジェクト「わたしのたからもの展」も開催されています。なかなか面白い作品展なので、ご都合があえば、ぜひいってみてください。(かねこきよこ)
----------------------------------------------------
展示室1:「5人展-石内都 島尾伸三 長島有里枝 尾仲浩二 蜷川実花」
展示室2:市民協働プロジェクト「わたしのたからもの展」
<詳細>
展示室1:「5人展-石内都 島尾伸三 長島有里枝 尾仲浩二 蜷川実花」
現代日本を代表する作家の作品で構成する。大切なもの=たからものに対する作家のスタンスをキーワードにカテゴライズし、現在までに撮られた写真作品の中から選出し、紹介します。
たからもの―ファミリー 母の遺品 石内都(いしうちみやこ)
妻と娘 島尾伸三(しまおしんぞう)
夫 長島有里枝(ながしまゆりえ)
たからもの―旅でみつけたもの
尾仲浩二(おなかこうじ)
たからもの―とどめておきたいもの
蜷川実花(にながわみか)
アーティストトーク 11月3日(木・祝)14:00開演(終了しました)
出演:石内都 島尾伸三 長島有里枝 尾仲浩二
コーディネーター:加藤種男(財団法人横浜市芸術文化振興財団専務理事)
展示室2:市民協働プロジェクト「わたしのたからもの展」
写真家の卵が撮った「わたしと‘たからもの’」
地元、港北区日吉にある東京綜合写真専門学校の生徒が「市民のたか
らもの」(50点公募)を撮り、応募した市民自身と市民の‘たからもの’を
一緒に写した作品が展示されます。
公募作品「わたしが撮った‘たからもの’」
市民自ら写した写真が、ダイレクトに展示されます。
ワークショップ作品「子どもたちの森の‘たからもの’」
子どもたちが森の中でみつけた、たからものをデジタルカメラで写しても
らい、プリント作品にして展示します。
●日時 平成17年10月29日(土)~平成17年11月20日(日)
●開館時間 10:00~19:00(土曜日のみ20:00まで、最終日17:00まで)
●料金 無料
●会場 展示室1・2
●主催/協力 主催: 横浜市民ギャラリーあざみ野(財団法人横浜市芸術文化振興財団)
●協力: 横浜美術館 横浜市交通局
●問い合わせ先 横浜市民ギャラリーあざみ野
TEL 045-910-5656
URLはこちらです。 http://www.yaf.city.yokohama.jp/facilities/azamino/
投稿者 かねこきよこ : November 3, 2005 10:37 PM
TrackBack(0)
TrackBack URL for this entry
http://www.ycan.jp/blog_maintenance/mt-tb.cgi/330
comments(0)
コメントする
URLを本文中に張る場合は「http://」を除いた形でお願いいたします。(スパムコメント対策)
最近のコメント
もうひとつの横浜トリエンナーレ