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July 29, 2006

映像ユビキタス時代のパラダイムシフト ~どう変わる?産業、文化、社会~

7月28日に開催された「ヨコハマEIZONE」のシンポジウムは、期待した以上の展開になりました。

>>映像ユビキタス時代のパラダイムシフト ~どう変わる?産業、文化、社会~

シンポジウムの中盤には、市民メディア全国交流集会@よこはま06実行委員長でもある和田昌樹さんの映像がスクリーンいっぱいに映り出されました。横浜における市民メディアの活動事例として街の音を集める番組を
作っている人たちとして紹介されました。

それを受けて、パネリストの水越伸さん(東京大学助教授)は、「こうした市民メディアの活動は日本の全国各地で起こっていて、ちょうど、今年の秋にここ横浜で市民メディアの全国的な集まりもある」と市民メディア全国交流集会の紹介もしていただけました。

その後は、各パネリストから市民メディアへの期待が語られ、またメディアリテラシーやいくつかの課題についても議論されました。

碓氷広義さん(テレビマンユニオン・プロデューサー)は、シンポジウムの冒頭から、映像機材の発達により、プロではない市民だれもが映像作品をつくれるようになったことを前向きに評価され、千歳科学技術大学の教授として地域ポタルサイトづくりに関わっていることやプロによる市民メディアへの講習についての意義も語られていました。

水越さんは、碓氷さんの発言を受けて、プロによる市民メディア支援の意義を認めつつも、プロも固定概念を捨てて、市民メディアの手法を共に考える姿勢が必要であることを強調されていました。そして、「ワイルドに行こう」とのコメントとともにメディアリテラシーは、けしてお勉強ごとではなく、悪ガキの実践にこそ必要なものである」と主張されていました。
メディアが情報を発信する先を「コミュニティ」と表現していたのもとても意味深く印象的でした。

箭内道彦さん(クリエイティブディレクター)は、「素人のケーキにはかなわない」というケーキ屋さんの証言を元に、原価を考えずにプロ以上に時間や労力をかけて凝って制作するアマチュアの作品の出現に期待を示し、一方で、人類史上はじめての映像の時代の自由さと制約がないことによる弛緩と不毛にならないことへの警鐘を鳴らしていました。

宮台真司さん(首都大学東京准教授)は、今回、悲観的な意見を提示する役割と自らを任じて、いくつもの疑問を提示されていました。
誰もが映像作品が作れる時代の到来が、実験的でオルタナティブな作品をつくることに逆説的に働かないか?これまでのプロがお金をかけて作成してきたコンテンツがアーカイブされるとそれであらゆる映像はほとんど担保され、素人作品は、到底、太刀打ちできないのではないか?スマート化(ICT)により、誰もがゾーニングされてしまうと新たな発見や意外な作品との出会いの機会が失われるのではないか?だからこそ、Googleなどの自動化された検索システムに頼るのではなく、キュレター(司書)による人間による作品の紹介や説明が大切になってくるのではないかと発言されていました。

2時間に及んだこのシンポジウムでは、「市民メディア」以外にも、「クリエイティブコモンズ」、「ロングテール現象」、「WEB2.0」、「U-チューブ」などの解説映像が要所要所に挿入され、それぞれについての各パネリストの発言もとても興味深いものでした。

私にとっては、9月の「市民メディア全国交流集会@よこはま06」の開催に向けての予習として、とてもよいシンポジウムでした。

>>市民メディア全国交流集会@よこはま06

このシンポジウムの内容は、10月21日(土)17:00~17:54にNHK衛星第2テレビで放映される予定だそうです。

(レポート=原 聡一郎)


投稿者 takahashi : July 29, 2006 10:10 PM

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