奈良美智+graf 「A to Z」展ミニ・レポート
7月29日から青森県弘前市の吉井酒造煉瓦倉庫で始まっている奈良美智+ graf 「A to Z」展は、会期12日めの8月11日で来場者が10,000人を突破したそうです。
ご存じの方も多いと思いますが、この展覧会の開催方式は非常にユニークで、「harappa」というNPO法人を中心に、民間の実行委員50人ほどが集まって実行委員会をつくり、すべてがボランティアによって運営されています。青森県や弘前市など行政機関はまったく開催主体に入っていません。行政からの補助金もいっさいもらっておらず、すべて民間の手づくりで運営されている展覧会なのです。
会場の吉井酒造煉瓦倉庫は、大正時代に建てられたもので、戦前は東北最大の酒造所だったと言います。戦後は、フランスから技術者を呼んで、日本で最初にりんごから「シードル」を造った醸造所でもあるそうです。
奈良さんが子どもの頃にはすでに酒はつくっていなかったそうで、奈良少年は外からこの大きな倉庫を好奇心を持って眺め続けていたそうです。
奈良さんが2000年にドイツ留学から帰って、初めてこの倉庫の中に入ったときの日記が、以下で読めます。
実際に倉庫の内部に入ってみると、横浜トリエンナーレ2005の会場にあった小屋(まったく同じではなくアレンジされている)が目に入ってきますが、何せ、広さが4140.45㎡(延べ床面積)もある大きな倉庫なので、ここから、入り口や廊下や建物の内部を経巡って、さまざまな種類の小屋を、わくわく、どきどき、見てまわります。
これだけの空間を埋めるのに、「奈良美智+graf」はAからZまでのアルファベット26文字を冠した建物を含む40棟以上も建物群を建設しています。会場内のそこここに、廃材を使った建物が立ち並び、その間には路地や行き止まりや広場が出現し、不思議な架空の街が出来ています。そこらの美術館よりも広いスペースを存分に使っています。
さて、今回の「A to Z」展は、制作に5ヶ月をかけ、延べ13,000人のボランティアが関わっているとのこと。
ちなみに、「A to Z」展のオフィシャル・ホームページを見ると、850名のボランティアが募集されています。会場運営のボランティアの人数は、いちどきには40人ほどだそうですが、交代が必要なので、一日につき70~80人くらいだとのこと。
ボランティアスタッフのシフトの割り振りと連絡は事務局の 2人のスタッフが行っており、ひとりが日程を決め、ひとりが個別の連絡を担当しているということです。
もっと人出が増えてくれば、スタッフの人数も増やさざるを得ないだろうと思います。
会場の外は芝生の空き地になっていて、市の公園が隣接しており、夏の日差しの中で観客やボランティアが酒ボックス(一升瓶を収納するプラスチックの箱)をひっくり返した椅子の上に腰掛けてのんびり話をしたり休憩したりしています。こういうところも、地方都市ならではのゆったり感があって、よい感じです。
会場の倉庫は市内の中心部に位置しており、少し歩くとすぐに市内の大通りに出ます。通りの主だった店の店先には、「A to Z」展のサインスタンドが設置してあり、「A to Z」展が地元をあげての催しになっていることが見てとれました。
・〈予告〉横浜トリエンナーレ サポーターズスクールのお知らせ
さて、「横浜トリエンナーレ2005」のときに川俣正氏が校長となって開校されていた「トリエンナーレ学校」の流れをひく「サポーターズ・スクール」がこの7月から月に一回のペースでZAIM(旧関東財務局ビル)で開講されています。9月16日(土)の第3回サポーターズ・スクールでは、この「A to Z」展と「第3回越後妻有アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」(開催中~9月10日まで)について、主にボランティアがどのように展覧会を支えているかを、それぞれ現地の視察レポートをもとに学ぶ、という内容を予定しています。
開催日時 9月16日(土) 15時~(予定)
場所 ZAIM 別館 2Fホール
入場無料
詳しい開催要項については、後ほどお知らせします。ご来場をお待ちしています。
投稿者 sota : August 19, 2006 10:57 PM
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