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September 28, 2007
上野-谷中アートリンク2007─舞台日和「Love Live」

2005横浜トリエンナーレでは、応援企画「横浜港湾借景行為表現計画」を敢行した、また、YCAN.JPで時々欧州のパフォーマンス事情をレポートしてくれる、山岡佐紀子さんからのメールを紹介いたします。
>>横浜港湾借景行為表現計画
>>山岡佐紀子 欧州アートレポート
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皆様
パフォーマンスイベントのお知らせです。
イトーターリさんと組みました。別々にやりますが、少し、しりとりに
なっている、
かもしれません。2人共有しているコンセプトは、以下の文です。
「「隣人」ということを意識してみようと思います。「社会」というよ
り人間くさい感じです。
家々が道に向かって明るく開かれているこの町で、私たちも、それぞれ
抱えているテーマの風呂敷を、
ゆっくり、おおらかに広げてみようと思います。」
ふらりとサンダルばき、といった感じでおいでください。
フェスティバルは、御存じの方も多い「上野-谷中アートリンク
2007」です。
あちらこちらで、いろいろなイベントが行われています。あちこちお歩
きになって、町を楽しまれてはいかがでしょうか。
詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
山岡佐紀子
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上野-谷中アートリンク2007
舞台日和「Love Live」参加パフォーマンスイベント
イトーターリ+山岡佐紀子
2007年10月8日(月)祝日 15:00~
16:00
入場無料
K’s Green Gallery ( クマイ商店ショールーム) 台東区上野
桜木町2-13-3
JR日暮里駅南口下車8分
南口を出てを左(崖の方)に行き、紅葉坂を上ると、
谷中の墓地に行き当たる。桜並木をしばらく歩き、墓地を出て、
公衆便所を左に見ながら、道なりに行く。猫グッズ専門店の少し先。
交番の手前。
>>アートリンクホームページ
イベント事務局:080-5518-7008
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Sakiko Yamaoka
>>Sakiko Yamaoka + Studio Art Hechima So On:
>>blog :
>>Missing in Yokohama (still working):
September 23, 2007
AAPA 新作公演『Papergate』

ZAIMではまことりの向いの部屋に入居している「AAPA」さんは、ZAIMという空間を積極的にコンセプトに取り入れる作品を創っている。春にはZAIM本館屋上で公演を行い不思議な世界を出現させた。
AAPA+モモンガ・コンプレックス『できないことは、できません。』
http://aapa.jp/archives/kouen/dekinai01/index.html
『LF』
http://aapa.jp/archives/kouen/lf01/index.html
今度は、本館地下室で新作を打つ。旧い建物には場所々にエネルギー溜りがあって、建物の魅力の源泉となっている。前々作における「危険」な雰囲気も屋上であるというだけでなくZAIM独特のパワーを感じた。もっと強烈な雰囲気のZAIM地下室で、何を成り立たせようとしているのだろう。
//////////以下AAPAからのメッセージ///////////
AAPA 新作公演『Papergate』(構成/演出 上本竜平)のご案内
【チケット予約はこちらから】 ⇒ http://aapa.jp/cgi/pg.html
【公演詳細はこちらから】 ⇒ http://aapa.jp/archives/kouen/pg/index.html
私たちは、横浜を拠点に、さまざまな生活環境を一時的な「シアター」に
作りかえる活動をしているAAPA(アアパ/ Away at Performing Arts)と
申します。
このたび、前回公演『LF』(ZAIM 本館屋上)から半年ぶりとなる新作公演、
『Papergate』を、9/27(木)~10/1(月)にかけて行う運びとなりました。
会場となるZAIM 本館地下は、かつては裁判所の簡易留置所として使われて
いた歴史があり、ひんやりとした不思議な雰囲気を残す場所です。
今回はこの特異な場所で、本作『Papergate』のモチーフである"並列する部屋"
を表し、「日常でありながらアウェイ(Away)でもある」生活環境に潜む新たな
一面を浮き上がらせます。
出演は、5名の女性ダンサー。〈都心/中心〉と〈自室/自分〉の間にある
『Papergate』に直面し、それぞれに感触を現していく、彼女たちの
パフォーマンスにご注目ください。
また前作よりさらに一歩踏み込んだ作品作りが行われる環境音楽、そして
AAPA の特徴となっている独特の空間構成が組み合わさり、ダンスと重なる
ことで引き起こされる摩擦と共鳴に、ご期待ください。
お忙しい時期と存じますが、一同ご来場を心よりお待ちしております。
AAPA? Away at Performing Arts
>>> http://aapa.jp < http://aapa.jp/ >
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◆ 『Papergate』公演概要
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◇開演日時(※開場は開演の15分前)
9/27(木) 20:00
28(金) 20:00
29(土) 14:30 / 18:30
30(日) 14:30 / 18:30
10/1(月) 20:00
◇会場 ZAIM 本館 地下
【アクセスマップ】
?? ⇒ http://za-im.jp/php/modules/info/rewrite/tc_7.html
◇料金 前売 2,200円 / 当日 2,500円
学生割引(前売予約のみ) 1,800円
【チケット予約はこちらから】 ⇒ http://aapa.jp/cgi/pg.html
◇構成/演出 上本竜平
◇出演 永井美里 中村未来 いとうみえ 平野久美子 村田志穂子
◇音楽 國府田典明 田中文久
◇企画製作 AAPA
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◆ お問い合わせ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〒231-0021 横浜市中区日本大通34 ZAIM H202号室
Tel & Fax : 045-641-6076? Mail : info@aapa.jp? HP : http://aapa.jp
September 17, 2007
かえっこバザールin 横浜カーフリーデー2007

「かえっこバザール」はアーティストの藤浩志さんとアートNPO「プラスアーツ」が開発した子どもたち向けの体験型のワークショップです。2007年春にBankARTで開催された「地震EXPO」でも大人気を博しました。「地震EXPO」では地震防災の教育プログラムがアーティストによってたくさん開発され、子ども達は遊びながら地震を体験し学びました。
>>「イザ!カエルキャラバン」は、子どもたちの解放区だった!
今回の「横浜カーフリーデー」(9月22日)は、交通環境の見直しからはじまって、地球環境や都市文化、都市生活の質の問題等を考える活動です。おもちゃのリサイクルを核とした環境教育プログラムとして開催されます(文字で書くと堅苦しいですね、)。是非遊びに来てください。
また10月7日にパシフィコ横浜で開催される「ネットデイフォーラムin よこはま」でも「かえっこバザール」が行われます。「かえるポイント」は両会場で有効です。
● かえっこバザールin 横浜カーフリーデー2007
>>9月22日は横浜カーフリーデー2007
日時 : 2007年9月22日(土)11:00~15:30(11:00受付開始)
会場 : 横浜公園(横浜スタジアム前の広場)
(JR・地下鉄「関内駅」徒歩3分、みなとみらい線「日本大通り駅」徒歩5分)
参加費:無料(大人、子供共に)
● かえっこバザールin ネットデイフォーラム2007
>>ネットデイフォーラム2007公式サイト
日時 : 2007年10月7日(日)10:00~14:00(9:30受付開始)
会場 : パシフィコ横浜 会議センター3F
(みなとみらい線「みなとみらい駅」徒歩3分、JR・地下鉄「桜木町駅」徒歩12分)
小中学生参加費:無料
大人は、本チラシ持参の場合、2名まで500円
(かえっこバザール、インターネット安全教室「市川洋介がやってくる」、展示会に入場ができます。ただし、同時に開催されているシンポジウム、セッションに参加するには事前に参加申し込みをして、資料代1人2,000円が必要です。)
September 16, 2007
9月24日(月・祝)アート・ボランティア講座、市民レポーター養成講座開催
9月24日(月・祝)は二つの講座を開催します。ご参加をお待ちしています。
「アート・ボランティア講座」は講師に横浜美術館副館長 三ッ山氏、
昨年の「ZAIMサポーターズ・スクール」では、美術館での教育をテーマに
お話をいただきましたが、今回は、横浜美術館で活動しているボランティア
についてお話をお願いしました。
「市民レポーター養成講座2007」では、「実践編」で制作した映像作品を合評します。
<転送を歓迎します>
■アート・ボランティア講座 第2回■
【美術館とボランティア】
文化庁 平成19年度「文化ボランティア推進モデル事業」
<ボランティア・コーディネーター研修・育成事業>
本講座は、全3回でアート・ボランティアの活動全般について学び、
そのコーディネートのあり方まで考えていきます。
第1回では、ボランティアとは何かを考え、あとの2回では実際の
ボランティア活動の組織、コーディネートのようすをお伺いし、ボ
ランティア活動を楽しむための仕組みや心がまえを学びたいと思
います。
日時:9月24日(月・祝)13:30~16:30
会場:ZAIM 本館 交流サロン
横浜市中区日本大通34(ZAIM別館1階=中区役所隣のビル)
みなとみらい線「日本大通り駅」徒歩2分、
地図 http://www.ycan.jp/archives/2005/12/zaim_1.html
講師:横浜美術館副館長 三ッ山一志氏
主催:特定非営利活動法人横浜シティアートプロモーション
運営:はまことり
申込み:以下にメールか電話にて「講座名」を添えてお申し込み願います
メールアドレス:info?ycan.jp(?を@に替えてください)
電話:070-5463-0441(原)
参加費:500円
●また、同日、17;00からは会場を変えて、
以前にご案内した下記の講座もあります。
横浜のアートの現場を取材しよう!
■市民レポーター養成講座2007■
Vol.5【映像・上映会】
日時:9月24日(月・祝) 17:00~
会場:ZAIM本館204号室
講師:和田昌樹(ポートサイドステーション株式会社代表、桜美林大学准教授)
内容:実践編で制作した映像作品を合評します。
参加費:500円
受講申し込み 上記と同じ。
September 12, 2007
都市との対話展「都市といういれもの」

雨が降ったりやんだりで港の水位も上がりそうな9月10日、横浜BankARTにて開催されている都市との対話展を訪れた。
今回の展覧会には7人の作家が参加しており、それぞれの視点と方法で現代の都市を表現している。作家もスタッフも20~30代で作り上げている展覧会とあって、これからの世代が都市を見つめるという点からも意味のあるものである。
印象的だったのは、作品を見て回った後、都市という入り組んでさいの目のようになった機能の中で、人間は自分たちの入っている入れ物のサイズに合わせて生き方を選んでいかなければならなくなっている、という気持ちになったことだ。都市の中で、ひとは都市のすきまに体を合わせうまくすり抜けながら生活している。しかし、そのすきまは空間であってはならない。空間とよべるような余裕が見つかると、逆に人は不安になる。あっという間にその空間の’有効な’利用方法が見つけられ、都市は埋め尽くされていく。人はまた都市のすきまに生きる。
上空から世界と日本の有名都市を撮り、そのかけらを張り合わせてもう一度それぞれの都市を再現した西野荘平氏の作品では、少しずつ重なり合った写真たちがひとつの都市を出現させておりとてもおもしろい。都市の全体写真を構成する同程度の大きさにカットされたかけらたちは、たたみかけるように重なりあっている。それは、まるでその風景が少しでも途切れてしまうと都市の機能もストップしてしまうかのようである。もう一度自分で都市を張り合わせ再現してみるという試みは、都市のさいの目の中に含まれて生きることから全体を俯瞰することの難しい人間が、都市のかたちを自分の手で捉えようとするチャレンジのように思えた。東京であったら東京タワー、京都ならばお寺や山など、それぞれの都市には変わらぬその都市のコアがあり、その場所から力の流れが生まれている。しかしまた、そのスタイルを保ちながらも立ち並ぶ建物の顔ぶれの移り変わりが特に早いニューヨークなどは、‘その時のニューヨーク’として記録となるようなものであると感じた。
会場の奥には、おもちゃのプラレールを部屋の一角の床から壁、天井までにも伸ばして表現する、ユニット「パラモデル」による作品が広がる。まるで血管のように壁をはって広がるプラレールの都市の流れが、最後はそれぞれの端が途切れて終わっていることから、部屋の角に都市をぶちまけて遊んだようにも見えた。また自分の足で作品の間にぎりぎりまでわけ入って見ることができるのがなんとも面白い。
他にも、都市の中にまいた種の成長をみる作品を作る狩野哲郎氏の作品では、コンクリートの間からもたくましく生え出る草のようすに、自然は人工的な都市の中でもその命をつないでいく力を脈脈と蓄えているのだ、というメッセージを受け取ったような気がした。
都市は人間の手で作られたものでありその中で人は生きているものの、その構成分子がそれぞれの目的のために突き進んだことで都市はでこぼこに成長し、やがて人の手にあまるものになってしまった。
どの作品も都市を表現するアイディアがとてもおもしろいが、見ていて共通して感じるかすかな不安のような感情は、人と都市とのあり方をもう一度見直さなければならないという、この展覧会が伝えるテーマのそれとリンクしていると感じる。
都市をデータで数量的に表す機会は多いが、都市をアートで感じ取る機会はあまりないのではないかと思う。17日まで開かれているこの展覧会に行ってみれば、面白みも十分だが、何かのテーマを自分の中に持って帰ることができるはずだ。(南佳代子)
「都市との対話」
< 横 浜 展 >
【会期】2007年9月1日(土)~9月17日(月・祝) ※会期中無休
【会場】BankART Studio NYK (神奈川県横浜市中区海岸通3-9)
【開場時間】11:30~19:00
【入場料】一般500円/中学生以下無料
September 06, 2007
横浜の森美術展2「森林浴+アート」

9月1日から横浜動物の森公園予定地(横浜市緑区)で「横浜の森美術展2」が開催されています。まさに自然の森の中で行われる美術展です。横浜動物の森公園予定地は、JR横浜線中山駅から徒歩30分くらい、よこはま動物園ズーラシアの北、県立四季の森公園の西に位置します。このあたりは里山や緑地が多く残っており、会場もそのひとつの雑木林です。杉・檜・桑・楠・くぬぎなどさまざまな樹木が生え、鳥・トカゲ・バッタ・蜂・蝉・蟻なども観客を出迎えてくれます。
主催するのはGROUP創造と森の声で、昨年10月に行われた第4回 ZAIMサポーターズ・スクール「アート・プロジェクトと地域力」にパネリストとして講演いただいたアート・プロジェクトです。創造と森の声は、自然環境を活かした大きな森のアートスペースを市民活動の場として残し、森を再生すると共に創造のコミュニティを作ることを目的としています。作品制作・ワークショップ・シンポジウム・音楽コンサート・ダンスイベント・野外美術展の開催など、いつも自然との共生を念頭においたさまざまな活動が行われています。
「横浜の森美術展」としては去年に続く第2回展で、7カ国17名、アーティスト(8名)と美術大学の大学院生(9名)とのコラボレーションです。森のあちらこちらの切り株に異なった時刻が刻まれた「日時計」は、その時、その場所が輝く時計です。曇りと雨の日はお休み、木の葉が育って隠れるとやっぱりお休みという不便さと、偶然輝いた瞬間との出会いが幸福を感じさせるゆったりとした作品です。木の下に水溜りのように設置された鏡「コモレビ2」は、桑の枝葉からもれる日差しを受けとめ、葉の緑をいっそう輝かせる美しい作品です。樹と樹を赤い糸で編み結んだ作品「赤いゆらぎ」は、森に生息する巨大蜘蛛の巣のようです。ちゃっかりものの蜘蛛がそこに巣をはっていました。自然に垂れ下がった枝と生命の象徴の水を用いて「回生する森」を表現した作品は、元々そこに池があり喉の渇きを癒そうと木が首を伸ばしたかのように見えますが、実はリアカーでボランティアといっしょに何度も水をそこへ運んで人工池を制作した力作だそうです。丸太に取っ手を取り付けたたくさんの木製スーツケースの作品「旅する森」は、森を運ぶことができるファーストウッドです。作品の横に作家から「作品を家やどこかへ運び、到着した写真をメールしてください。」とのメッセージがありました。チップが撒かれたせいで枯れた木々の間を、樹皮を糸で縦に結びカーテンのように数多く配置した作品「こころね」は、枯れた木の声が聞こえてきそうです。幹の中腹になったサルノコシカケを得ようと長い手を伸ばした作品「森の怪物」、リングの上でアームレスリングの挑戦者を待つ作品「森からの挑戦」など、いずれも森の景観を活かし、森の素材を使い、自然と対話しながら作品展開が行われています。
この美術展では、作品制作の補助をはじめ、受付やガイドなど、1日平均20名ほどのボランティアが協力しているそうです。特に会場が駅や繁華街から離れた少々不便な所にあるため、買出しや昼食の用意、宿舎でのお世話などにもボランティアの力が発揮されているとのことです。
毎週土・日の11:00と14:00からは解説つきのアートツアーが実施されます。会期中ワークショップやコンサートも行われます。詳しくは以下をご覧ください。
【開催場所】横浜動物の森公園予定地(横浜市緑区)
【展示期間】2007年9月25日(土)~9月17日(月)
【主催】 GROUP創造と森の声
【URL】 http://www.morinokoe.jp/
あなたもふかふかの草と土のカーペットを踏みながら鳥や虫の声を聞きながら森の中を散策し、アートと出会ってみませんか。
(山岸泉)
September 05, 2007
横浜美術館協力会 美術講演会 横浜トリエンナーレ2008に向けて『タイムクレヴァスの概要について』
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講師:水沢勉氏
(横浜トリエンナーレ2008総合ディレクター)
2007年7月28日(土)
14:00~15:30
横浜美術館レクチャーホール
水沢氏は講演で、考えながらていねいに言葉を選び、終始静かな口調で淡々と語りかけました。
まず、2006年11月に「横浜トリエンナーレ2008」総合ディレクターに就任してからの経緯、次に全体テーマ「タイムクレヴァス」について、最後に映像によるヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア、1895年からほぼ隔年開催)、ドクメンタ(ドイツのカッセル、1955年からほぼ5年ごとに開催)の紹介がありました。
今年2007年は、この二つの展覧会のほか、ミュンスター彫刻プロジェクト(ドイツ、1977年から10年ごとに開催)と三つの大きな現代美術の国際展が同時に行われる10年に一度の年でもあります。さらに来年は、シンガポール、上海、光州などアジアでのビエンナーレ開催が予定され、国際展に注目が高まっています。「横浜トリエンナーレ2008」も来年9月13日の開催に向って、しだいに具体的な内容が明らかになり、楽しみと期待が膨らみます。
また、この講演会は「横浜美術館協力会」の主催で、参加者どうし顔なじみの方も多く、あちこちであいさつをするなごやかな雰囲気がありました。
●「横浜トリエンナーレ2008」について考えていること
昨年11月に、「横浜トリエンナーレ2008」の総合ディレクターに就任した。8月に5人のキュレーターをスイスに集めて、まず30人くらいのアーティストについて相談をする。初めに有名作家をノミネートして先行発表することが国際展の定例ではあるが、発表の方法は検討したい。現在は展覧会の基本を作っている。会場に一歩入ったときに緊張を感じるような展示をしたい。
1970年代、80年代は、現代美術においては、実験と革命の時代で、作品は孤立していても、難解でもよしとされていた。しかし近年は、国際展自体が経済効果のある大イベントになった。また、国際展のテーマは抽象的で、やわらかい紙に包んだ口当たりのよいものが主流である。しかし、私はそうしたくはない。
●全体テーマ「タイムクレヴァスTIME CREVASSE」
「タイムクレヴァス」は、(ディレクター候補として)プレゼンテーションをするときに自然に思いついた言葉で、次のようなコンセプトを込めている。「時間は無数の傷を負っている。しかし、それをだれも見ることはできな
い。感じることができるだけだ」。同じ時間を共有しているのに、そうとは思えない違い・傷があり、最もおおきな大切な傷(クレヴァス)がある。戦争、文化の違い、家族間、上司と部下の間にも違い・傷はあり、すぐれた芸術作品はこのタイムクレヴァスを我々に感じさせてくれるものである。
サブタイトルとして考えているものは、決定ではないが、「彼方の対話 Beyond-Dialogue」は、ハイフンでつながれたひとつの単語で「彼方から生じてくる対話」を意味し、ときには非言語的なものもある。二つの単語から成る「対話の彼方 Beyond Dialogue」、「沈黙などの、対話の向こう側にある何か」とは違うことを整理しておきたい。「彼方の対話」は、美術が彼方のまったく違うものをもたらし、呼び覚ますこと、芸術表現は奇跡のような恵みであることを意味している。芸術の解釈は世界中どこでも共通のものではない、作品を見ただけですぐにわからないからこそ、五感をすべて使って感じ取ろう、理解しようとするところから異次元の「彼方の対話」が生まれるのである。
●「見えない時間の亀裂を知る」現代美術
1900年のパリ万国博覧会には200万人が訪れ、19世紀後半に万博は五感のなかで視覚を優先させる世界的なシステムをつくりあげた。パリ万博はその頂点に位置する。私は視覚が大きな力をもちすぎていることに疑問を提示したい。小さな視覚情報で簡単に得られることは、あまりにも不完全であるからだ。また、視覚重視の考えは、グローバリゼーションによる情報の均質化をもたらし、格差を助長している。考古学者は、土器についた土をなめて年代を知ることができるという。たとえば、石を見て、触れて、においを嗅ぎ、たたいて音を聞き、なめて味わうことによって、石が今ここに存在するまでの見えない時間、そしてその亀裂さえも知ることができる。同じように現代美術も五感で鑑賞するものである。
●ドクメンタ12を評価する
今年のドクメンタはオープニングまで作家を発表しない、例外的な手法だった。作家を差別することがなく、私はよいと思った。キュレーターのロジャー・M・ビュルゲルは、商業主義主導の現代美術に疑問と批判を込めている。全体はたいへん地味な国際展となったが、ドクメンタというプロジェクト全体の存在感は疑いない。それにはドクメンタがカッセル全市をあげて訴求力があるものに成長させてきた自信が裏づけにある。
展示が丁寧で、全体として静かで無駄がない。やはり、ナチスによって荒廃した美術を、戦後復興させたいという基本動機が強く、ドイツでの現代美術への揺るぎない自信というものを感じた。ジャーナリズムでは、地味、スターがいない、話題性がないと批判され、来場者はあまり多くはないが、落ち着いて見る価値がある。
■「横浜トリエンナーレ2008」公式ホームページ http://www.yokohamatriennale.jp/2008/ja/
会期:2008年9月13日(土)~ 11月30日(日)(計79日間)
■「横浜トリエンナーレ2008を盛り上げる市民活動」の情報 http://www.yaf.or.jp/yokotori/entrance2.html
■横浜シティネットワーク関連記事 http://www.ycan.jp/archives/2006/11/index.html
(取材 写真Takahashi 文sorbet)
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