アート・ボランティア講座 第2回 報告 「美術館とボランティア」
アート・ボランティア講座 第2回 報告
「美術館とボランティア」
2007年9月24日(月・祝)ZAIM別館1階 なか区民活動センター研修室
講師:横浜美術館 副館長 三ツ山一志氏
ボランティア体験報告者:はまことり 澤田輝雄氏
アート・ボランティア講座第2回では、ZAIMサポーターズ・スクール第8回にもご登場いただいたアートの教育普及に携わる三ツ山氏より、横浜美術館におけるボランティアの育成と心構え、横浜トリエンナーレとボランティアの関係についてお話をうかがいました。また、さまざまなアート・ボランティア経験のある澤田さんには、体験談と感想を述べていただきました。
横浜美術館では、社会教育施設である美術館の仕事を知ってボランティア活動を実習する「横浜美術館ボランティア学校」が開催されています。2007年度も9月末から隔週土曜日、全12回、約半年間にわたって行われます。内容は、学芸員の仕事について、教育普及活動について、施設の管理・運営についてなど、美術館の事業の学習とボランティア活動実習です。参加者に美術館の仕事を理解してもらうのが目的のひとつですが、参加者の中からボランティアが生まれ、次のボランティアへノウハウの伝達が行われていくことを望んでいるそうです。同時に、美術館職員も参加者にわかるように説明するという点から、職員育成の目的も含まれているそうです。また、ボランティアとボランティアを募る主体(美術館側)との関係について三ツ山氏は、ボランティアは何をしたらいいか主体に尋ね、主体は何を依頼したいかをボランティアに明確に示す必要があると強調されました。「ボランティアの中には、もっと美術館はこうあるべきだという評論家も多いが、美術館の仕事を理解したうえで、こんなボランティアができるのではないかというイメージを抱いてほしい。ボランティアは末端の作業を依頼されることが多いが、全体の中でどのような位置づけの作業かを理解してほしい。そのために主体側もそれをきちんと説明する必要がある。主体もボランティアも双方、感謝の気持ちが得られるのが望ましい。ボランティアが美術館に関わることで美術館が変わっていく。」と述べられました。
また、横浜トリエンナーレ本体は毎回変化するけれども、本体を取り囲むボランティアは繰り返されたり、引き継がれたりして成熟していくことが期待されているとのことです。ボランティアは横浜トリエンナーレの良き広報係であり、現代美術の普及のうえでも重要な役割を担っています。アートを通じて、考えることを面倒くさがらず、労を惜しまず、行動する市民が横浜に増えることによって、横浜市の推進事業としている「文化芸術創造都市クリエイティブシティ・ヨコハマ」が成り立っていくのであろうとのお考えでした。
澤田さんは、横浜トリエンナーレ2005、横浜市民ギャラリー、ZAIM、横浜美術館で、作品制作・解体補助、作品監視などのボランティア経験があり、それぞれの体験を比較して感想をお話くださいました。ボランティア・コーディネートのノウハウを持ち、事前研修が徹底し、マニュアルが洗練されている組織でのボランティア活動は、自分の作業の位置づけがわかりやすく説明されるため、スムーズに作業に取り組むことができたそうです。その結果、ボランティアのやりがいや楽しさがより早く、より大きく見出せたように思うと話されました。逆に、説明不足の場合は戸惑うばかりでなくやりがいが見出せず、時間が長く感じられたそうです。これは、先の三ツ山氏のお話にあった、自分の作業の位置づけの理解がやりがいに結びつくということを裏付けています。また、ボランティア保険の必要性や他機関との連携の有用性、たとえば、横浜市民ギャラリーでは障害者対応のノウハウを障害者スポーツ文化センター横浜ラポールから得ていることなどについても触れられました。
澤田さんにとってアート・ボランティアは、より積極的にアートを楽しみ、視野を広げる手段であり、美術館という社会教育施設を利用した無料で受講できる社会教育と捉えているそうです。これは、まさに生涯学習の本質を実践しているのではないでしょうか。このように、これからアート・ボランティアに参加してみたいと考えている方にとって体験談は、アート・ボランティアの入り口で覚悟を言い渡されたとともに楽しむコツを伝授してもらえたのではないでしょうか。
(山岸泉)
投稿者 takahashi : November 14, 2007 10:30 AM
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